ついに本格始動したドットワークPlus、記念すべきグランドオープン初日の密着レポートをお届けします!

誰もが手軽にサテライトオフィスを持てるよう、山梨県富士吉田市の全体に多様なワークスペースを用意し、それらを複数の事業者でシェアできる仕組みを整えた「富士吉田市まるごとサテライトオフィス(略称:まるサテ)」。

本事業の中心地となるコワーキングスペース/サテライトオフィス「ドットワークPlus」が、2022年5月2日(月)より開始したプレオープン期間を経て、同年7月1日(金)に無事グランドオープンしました。

オープニングセレモニーが開催され、市内外から訪れた多くの方々で賑わったグランドオープン初日。今回は、大盛況のうちに幕を閉じた当日の密着レポートをお届けします。

ドットワークPlusグランドオープン初日の密着レポート

包括連携協定締結式、オープニングセレモニー、異業種交流会/施設開放と立て続けに催し事があったグランドオープン初日。富士吉田市の街並みをイメージした機織物のカーテンが目を引くスタイリッシュな内装も、いよいよお披露目となりました。運営スタッフは朝早くから式典の準備に取り掛かり、会場設営や進行確認など、直前まで最終チェックを行い、待ちに待った1日の始まりに備えます。

包括連携協定締結式

記念すべきグランドオープン初日の始まりを告げたのは、地域活性化に関する包括連携協定締結式(富士吉田市・キャップクラウド株式会社)です。オープニングセレモニーの直前に、ドットワークPlusの会議室/撮影ルームで執り行われました。

本協定は、富士吉田市と当社が相互に協力・連携をし、市内における一層の地域活性化及び市民サービスの向上に資することを目的に締結されたもので、連携事項は以下の通りです。

  1. テレワーカーが仕事をするためのハード環境・ソフト環境の整備に関すること
  2. 県外事業者が富士吉田市内にサテライトオフィスを設けるにあたっての検討段階から開設までのサポートに関すること
  3. 富士吉田市内に訪れた事業者、テレワーカー、2拠点居住者、移住者に向けた交流機会の創出に関すること
  4. 2拠点居住先の拠点として選定してもらうための中長期滞在施設の提供や運営に関すること
  5. 市内の宿泊施設(ゲストハウス、民泊等)と連携することにより、市内の関係人口増加を促進に関すること
  6. その他、サテライトオフィス環境・テレワーク環境・2拠点居住環境の整備に関すること
  7. 地域の活性化及び市民サービスの向上に関すること

本式典は、富士吉田市と当社の関係各位、並びに報道陣のみで開催。会場は厳かな雰囲気に包まれていたものの、富士吉田市の堀内市長と当社代表の萱沼がお互いの近況について言葉を交わすなど、和やかな場面もありながら、無事に締結書への署名・両者の挨拶・記念撮影が済み閉式となります。

閉式後からオープニングセレモニーが始まるまでの待機時間には、完成したドットワークPlusを堀内市長にご案内させていただきました。施設内の各所を大変興味深く拝見してくださったことに加え、まるサテの中心地となる場所で堀内市長と言葉を交わせたことによって、今後の展望についてより相互の認識を深められたように思います。

ドットワークPlusオープニングセレモニー開式

ここからは、グランドオープン初日の目玉であるオープニングセレモニーに移ります。本式典は2部制で進行し、第1部では三者連携協定締結式・三者挨拶・ご祝辞・テープカット、第2部ではまるサテの事業説明・有識者とテレワーカーによるトークイベントが執り行われました。

オープニングセレモニーの受付時間が近づくと、会場にはたくさんの方々が集まり始めます。グランドオープン初日を飾るに相応しい活気に包まれるなか、司会により開式が宣言され、いよいよ式典がスタートです。

三者連携協定締結式

第1部の三者連携協定締結式(富士吉田市・富士急行株式会社・キャップクラウド株式会社)では、富士吉田市の堀内市長、富士急行株式会社の堀内社長、当社代表の萱沼の3名によって協定が締結されました。

本協定は、富士吉田市まるごとサテライトオフィス事業に基づき、都市部から富士吉田市への人流を生み出すことで、地域を巻き込みながら、活力に溢れる街の実現を目指すものです。今後は以下の項目を実現するために、官民一体となってそれぞれが持つ力を十分に発揮し、地域経済の発展に寄与していきます。

  • 富士吉田市における関係人口の創出と2拠点居住の推進
  • 地元企業とのビジネスマッチングから創造される新たなイノベーション
  • 人口ビジョンにおける移住・定住人口増加への転換に繋ぐための革新的な施策

三者連携協定締結式は、協定書への署名・記念撮影・三者挨拶・ご祝辞・テープカットの順で進行。三者は参加者の熱い注目を浴びるなか、それぞれが担う立場から本協定に抱く想いを発表しました。三者の白熱的な言葉を受けて、会場内は終始、これからの富士吉田市に対する期待感に包まれていたように思います。これにてオープニングセレモニーの第1部が終了。以下、三者挨拶の発表内容に関する一部抜粋・要約です。(※順不同)

富士吉田市 市長 堀内茂氏

ご来賓並びに関係各位には大変お忙しいところ、富士急行株式会社様、キャップクラウド株式会社様と本市との三者連携協定締結式、並びにドットワークPlusオープニングセレモニーにご臨席賜りまして誠にありがとうございます。

本市は東京から2時間以内にアクセスができ、また市街地が大変コンパクトに収まっている利便性と、豊かな自然環境から生み出される清冽な水と清らかな空気を有していることから、観光客のみならず、テレワーカーの仕事場所としても選ばれ始めております。

こうしたテレワーカーをいち早く、また1人でも多くキャッチするため、本市では今年度より富士吉田市まるごとサテライトオフィス事業を開始致しました。

本事業の拠点となるここドットワークPlusは、富士北麓地域の交通の要所、富士山駅にあることを加え、コワーキングスペース機能はもちろん、イベントスペースや情報発信機能を兼ね備えており、東京圏からのテレワーカーと富士吉田市を繋ぎ、新たなビジネスマッチングや関係人口の創出の場となることを期待致しております。

本事業に関しましては、工事期間中より市内外の多くの皆様から大変注目を頂いておりましたが、ご列席の皆様を始め、地域住民の皆様のご理解そしてご協力のおかげで、本日いよいよオープンすることができました。

また工事関係者の皆様にも、このような素晴らしい装飾やデザインなど、本当にあらゆる面でご協力を頂き、大変ありがたく思っています。

このオープンに合わせまして、先程、富士急行株式会社様、キャップクラウド株式会社様との三者連携協定も成立致しましたところでございます。

今後は富士急行株式会社様の交通ネットワーク環境や、またグループ企業を含めた幅広い広報網、またキャップクラウド株式会社様のサテライトオフィス・コワーキングスペースの豊富な運営ノウハウ、東京圏とのネットワーク、それぞれが持つ強みを活かしながら、市内外の人の流れを生み出し、富士吉田の街に賑わいを創出して参りたいと考えておりますので、どうか皆様には変わらぬお力添えをよろしくお願いしたいと思います。

結びになりますが、市内経済の活性化並びに本日ご列席の皆様のなお一層のご活躍とご健勝を心よりご祈念申し上げまして、挨拶とさせていただきます。本日は誠にありがとうございます。

富士急行株式会社 代表取締役社長 堀内光一郎氏

それでは一言ご挨拶申し上げます。まずはドットワークPlusのグランドオープン、誠におめでとうございます。

先程、市長様からお話を賜りましたけれども、キャップクラウド様、それから富士吉田市様と、私ども富士急行の三者連携協定ということで名前を加えさせて頂きました。

またドットワークPlusという今回の富士吉田市まるごとサテライトオフィス事業のコア、ハブ施設になりますこの重要な施設を、私どもの富士山駅、Q-STAの中にご設営頂きました。

この連携協定の参加と、拠点施設のご設営は本当に光栄なことでございます。私ども富士急グループと致しましても、交通環境含めて、全力でこのプロジェクトの成功に向けて協力をして参りたく思い、心から感謝を申し上げるところであります。

私は現在、富士吉田商工会議所の会頭という立場も仰せつかっておりますけれども、ここ数年来、かなり早い時期から富士吉田市長様と富士吉田市に於かれましては、二拠点居住やワーケーションについて、積極的なまた大変ご熱心なお取り組みをされてきた印象がございます。

そういったなかで立派な成果を挙げてこられたわけですけれども、今回キャップクラウド様との間で先進的なIT技術を活用した富士吉田ならではの独自の、また先進的なワーケーションを展開していたということで、まさに富士吉田市や堀内市長が進めてきた大きなプロジェクトというものが、これからより大きく進化をしていくのだろうと思っております。

こうした今回のキャップクラウド様とのご関係は、私どもにとっても、そして富士吉田商工会議所にとっても大変ありがたいことです。これはまさに、これまで堀内市長が市の皆様と進めてきた本プロジェクトに対するご熱意、そして地元のご出身である萱沼社長の富士吉田市をさらに元気にしたいという両者の想いが合致したことで、この成功に至ってくるのだろうと思っています。

本日は、私ども富士吉田商工会議所の者が大勢お招き預かっておりますけれども、特に青年部が市の大変なお力添えのもと、10年ぶりにつくりました富士吉田市の産業ビジョンのなかで重要な戦略になっておりますのが、活動人口とそれから関係人口といった新しい人口を増やしていくことです。

本事業で推進する日常型ワーケーションはまさに私ども富士吉田商工会議所が目指すものと一致をしております。この素晴らしい計画をこれから先、市やそしてキャップクラウド様の大変なお力のもとで、私ども商工会議所も全力を尽くして成功に協力して参りたいと思っております。先程お話があったイノベーションやビジネスマッチングなど、各般に渡って大きな成果を挙げることを確信しております。

これから先の富士吉田市を中心とした富士北麓地域の更なる発展、また本事業の成功を心からお祈り申し上げまして、会社と商工会議所を代表してのご挨拶とさせていただきます。本日は誠におめでとうございます。

キャップクラウド株式会社 代表取締役CEO 萱沼徹

ご紹介に預かりましたキャップクラウドの萱沼でございます。本日はご多忙のなか、富士吉田市役所様、富士急行様、富士急百貨店様、富士吉田市に縁の深い皆様方のご臨席を賜りまして、誠にありがとうございます。

ちょうど富士山の開山祭と重なるこの7月1日に、富士吉田市様との包括連携協定、そして富士吉田市様、富士急行様との三者連携協定、さらにこのドットワークPlusの開設と、3つ重ねて実現できましたのは、ひとえに関係各位の皆様のご尽力の賜物であるという風に深く感謝申し上げる次第でございます。

我々は元々東京でスタートした会社ではございますが、2017年よりここ富士吉田市でのプロジェクトを開始致しました。

先程ご紹介いただきましたように私自身は富士吉田市の出身であり、県内の高校を卒業しております。大学進学を機にこの地を離れてから、おおよそ20数年経ちまして、また何かビジネスとして地元に還元できることがないかということを模索した上で、このビジネスに取り組ませて頂いております。

我々もまだまだ試行錯誤のなかで本事業を続けているわけですけれども、私としては客観的な視点からも、やはりこの富士吉田市という場所がかなり大きな可能性を秘めていることから、このような事業を取り組ませて頂いている次第でございます。

この三者連携協定、それからドットワークPlusの開設を機に、特に新しい働き方というものに対する我々の強みを発揮して参ります。また新たな働き方を世の中にアピールし、この富士吉田市が全国、延いては世界のなかでも新しい存在としてアピールができるように努めて参りたいと思う所存でございます。

ここ富士吉田市の益々の地域活性化に私どもが寄与させて頂くことをお誓い申し上げますとともに、並べて富士吉田市、そして富士急行様の発展を祈念いたしまして、私からのご挨拶とそれから感謝の言葉とさせて頂きたく存じます。本日は誠にありがとうございました。

「富士吉田市まるごとサテライトオフィス」事業説明

しばしの休憩を挟み、第2部のスタートです。まずは富士吉田市まるごとサテライトオフィスの事業説明として、ドットワークプロジェクト事業統括責任者/富士吉田市活性化起業人の北田より、本事業の概要をご紹介させていただきました。

プレゼンでは、日常型ワーケーションやドットワークPlusの機能など、まるサテの仕組みから目的まで網羅的に解説。たくさんの方々に本事業を知っていただく良い機会であったとともに、すでにご存じの方にもより理解を深めていただける大変有意義な時間となりました。

有識者とテレワーカーによるトークイベント

まるサテの事業説明の後には、豪華登壇者様をお迎えし、地方創生やリモートワークについて語り合うトークイベントを開催。同イベントでは3つのトークテーマをもとに、有識者やテレワーカー、テレワークを導入する企業の経営者など、それぞれの視点から多様な切り口のコメントが発表されました。

<登壇者一覧(※順不同)>
  • 山梨大学 教授 田中敦氏
  • 株式会社ソニックガーデン 執行役員 西見公宏氏
  • 株式会社パソナJOB HUB 平元恵氏
  • 株式会社RAZONA 代表取締役CEO 村元啓介氏
  • 株式会社アミューズ 内藤裕志氏
<トークテーマ>
  1. 富士吉田でリモートワークをしてみた感想
  2. 地方でリモートワークをする時に必要なものとは
  3. 「地方創生」と「リモートワーク」の今後について

今回の登壇者様は全員が富士吉田市でリモートワークをされたご経験をお持ちということもあり、この地域ならではのお話から地方創生、リモートワーク全般に至るお話まで、幅広い意見が飛び交います。

それぞれが異なる視点・切り口からコメントを発表していましたが、共感できる部分も多かったようで、会場の皆様も含めて一体感のあるイベントとなりました。ここからは、各登壇者様よりいただいたトークイベントの感想をご紹介します。(※順不同)

山梨大学 教授 田中敦氏

トークイベントのご感想をお願いいたします。

そうですね。まず登壇者の皆様がそれぞれ富士吉田市に対して熱い想いを持っていらっしゃり、多くの可能性を見出されていることを強く感じました。

あとはテレワークやワーケーションというものが、単にいつもと違う場所で仕事をするのではなく、企業の経営者の視点での効果と、実際に行う従業員に対する効果をしっかりと理解し、当たり前のように享受しながら働かれているように思います。

そのうえで富士吉田市ならではの強みや特性を理解していくのかなど、テレワークやワーケーションに対する認知度が他の地域に比べて高くなってきているのではないかという印象です。

テレワーカーの視点から見たまるサテの印象はいかがですか?

街全体をまるごとサテライトオフィスにしようという発想、取り組みはすごく良いと思います。これまで肩身の狭い思いをしながらカフェや食堂で過ごしていたリモートワーカーが、大手を振るって居心地の良い場所で仕事をしながら、美味しい食事やコーヒーを楽しむことができますし、何より「ハシゴ酒」ならぬ「ハシゴオフィス」とか「ハシゴカフェ」なんて素敵すぎます。

1つのコワーキングスペースを固定的に使うよりも、セレンディピティな出会いのチャンスも増えるし、ファンになっていく人も増えていくことでしょう。ただ、これから富士吉田市を訪れる人が増えてくると、二次交通の面が少し気になります。また今はオンシーズンなので良いですが、まだ冬季の寒さをご存じない方もたくさんいらっしゃるかと思いますので、通年での運用も課題になってくるかもしれません。そこに対応できるのかという点は心配ですね。

また、移住に関しても、空き家の活用は大変素晴らしいことですが、やはり都心にお住まいの方がいざ移住した際に、地方に来て居住空間や生活レベルがダウングレードしたと感じてしまう層の人たちも出てくるかもしれないですし、多様なニーズへの対応も必要となっていくことでしょう。

もちろん今はスタートしたばかりのプロジェクトですが、だからこそ継続してあるいは新しいニーズを取り入れることに対するギャップなどについて、走りながら分析を行い、次の手を打っていけるかが鍵になると思います。

今後のまるサテにどのようなことを期待していますか?

現在は、これまでのように尖っている人たちだけがワーケーションを行う時代はすでに終わりつつあり、ワーケーションを行う人たちでどんどん裾野が広がっている段階にきていると思っています。なので期待と言うよりかは、過度な期待が崩れてしまった際に、どう反作用に対応するか、そうならないためにどのように予防をするか、といった視点でお話させていただければと思います。

それこそワーケーションに関しては、2、3年前までは一部の方しか知らなかったものですが、わずか数年でここまでチャレンジする方が増えましたよね。地方創生についても同様で、最初は休みの日に地方へ行ってちょっと働くみたいな認識でしたが、本日のイベントのように働き方改革やワーケーションなど、どんどん意味が拡大してきました。

そうした潮流のなか、ようやく富士吉田市が色々な要素の中心になってきたタイミングですが、ここ数年の変化や広がりのスピード感を考えると、今手を打たなければ先が見えづらくなってしまうのではないでしょうか。

例えばプロジェクトに行政の予算を活用したい場合には、もちろん地域でのコンセンサスや議会の承認を得なければなりませんが、これからはそのスピード感では対応できなくなってくると思いますし、実際に全国では今そういう地域がたくさんあります。

今ここでどれだけスピード感を持って、どこを巻き込みながら、どうするのかという、今までと違う発想でやれるエリアが最終的に勝つのだと思います。この富士吉田市が同じような動きになっていくのか、日本の最先端を担って新しい街としてのショーケースになれるのか、そこがやはり未来に繋げるための一つの分岐点だと考えます。

早急にピッチを上げ、まずはテレワークやワーケーションの分野で、いかにして関東地区のNo.1ポジション、ブランドを獲りにいくのかという視点が大事ですね。

でも私はそれを乗り越えたら、富士吉田市は本当にすごいと思いますよ。やはりシンボリックな方、人としてブランドを引っ張るような方が増えていくとか、色々なチャンスがどんどん広がっていくと思います。やはり一番大切なことは人を基点に起こると思いますので、今後も引き続き注目していきたいですし、今後の展開にワクワクしています。

株式会社ソニックガーデン 執行役員 西見公宏氏

トークイベントのご感想をお願いいたします。

実際に富士吉田市に住んでいる人間の立場から意見をお伝えできたのは良かったなと思っています。他の登壇者の皆様も以前からワーケーションで富士吉田市にお越しになられていたとのことなので、それぞれのお話も共感できる部分が多かったです。

特に地域経済を考えるとワーケーションは大変魅力的ですが、ただ単に観光に来るだけだと、リピーターになっていただくのは難しいという話は私も以前から感じていたことなので、そこは改めて確信できましたね。

テレワーク導入企業の視点から見たまるサテの印象はいかがですか?

シンプルに働く場所としてすごく良いと思います。ワーケーションを行う際には最低限の設備が必要になると思いますが、いざ蓋を開けてみたら、電源や通信環境、Web会議のできるスペースが整っていないこともめずらしくありません。

業務をオンラインでこなすにあたり、これらの環境が整っていなければ何もできませんので、そこを街全体で推進して整備するというのは心強いですよね。

また、最近では企業合宿の形態も変化してきていて、従来の1泊2日で根詰めてスケジュールをこなすスタイルではなくなりつつあります。

リモートワークで業務をこなせるようになったことに加え、オンラインによるコミュニケーション不足を補うことを目的に、2泊3日や3泊4日など、これまでよりも少し長めのスケジュールを引く企業が多くなりました。

中長期的に皆で顔を合わせて仕事をするなかで、気分転換にどこかへ行こうとなった際にも、富士吉田市であれば色々な場所で不自由なく働くことができますので、とても使いやすいなと思います。

今後のまるサテにどのようなことを期待していますか?

希望を言えば、もう少しラグジュアリーなワークスペースがあると嬉しいです。もちろん情緒溢れる場所で働けることもまるサテの魅力ですが、選択肢の一つとしてそういう場所があれば、ミーティングもしやすいですし、気分も上がると思います。

これは個人的にすごく大事なポイントで、逆に言えばそこが整ってさえいれば誰かを誘いやすいです。あまりにも若者向けすぎると、ミドル層のリモートワーカーを誘致するのは厳しいので、まずはラグジュアリーなワークスペースを拠点としつつ、色々な場所を巡ることができるようになればより利用しやすくなるなと思います。

株式会社パソナJOB HUB 平元恵氏

トークイベントのご感想をお願いいたします。

このようなトークイベントに登壇させていただくことが初めての経験だったことに加え、他の登壇者の皆様が錚々たるメンバーだったこともあり、とても緊張しました、というのが率直な感想でしょうか。イベント全体の総括としては、共感できるお話と新しい視点のお話を併せて聞けましたので、自身の考えを再確認する機会にもなり、収穫を得ることができたと思っています。

今回のイベントでは3つのトークテーマが設定されていて、それぞれに各登壇者が見解を述べていくスタイルで進行しましたが、同じ質問に対して様々な視点からの意見が聞けましたので、大変学びの深い時間となりました。

特にアミューズの内藤さんが仰っていた「地方に行くのは誰かに会いに行くため、人に会いに行くことが地方創生」というお話は自分のなかですごく腑に落ちた部分です。

テレワーカーの視点から見たまるサテの印象はいかがですか?

イベントの終盤でも触れましたが、まるサテはまさに地方創生を体現するプロジェクトであると感じています。

リモートワークをきっかけに地方を訪れて、もちろんそこで人や情報を繋いでくれるコミュニティマネージャーの方がフックにはなるんですけど、こちらとしては自然発生的にプロジェクトが始まっているといったようなイメージでしょうか。

そうすると新しい事業や産業、そして雇用が生まれることになり、結果として地域に成果を還元できるのではないかと思います。これは私の思い描く地方創生の姿でもありますし、富士吉田市を舞台としたまるサテは、理想の環境が整っているプロジェクトです。

ドットワークPlusに関しても、イベント前にWeb会議があり、個室ゾーンを利用させていただきましたが、とても快適でした。

また、施設入口には地域の方が出店できるスペースもあるとのことで、地域内外を問わずに足を運べる要素があるのは魅力的ですよね。皆のために、皆がハッピーな、皆がちゃんと富士吉田市を大好きになるような取り組みをされているのは、すごく素敵だなと感じました。

今後のまるサテにどのようなことを期待していますか?

個人としては、首都圏から近くて安く行けますし、駅直結の場所ですぐフラッと来られますので、引き続き利用させていただきたいです。それでコミュニティマネージャーの方を介して色々な人と出会い、富士吉田市で新しいプロジェクトを興したり、新しい取り組みにチャレンジするなど、お互いに感謝し合ってウェルビーイングを追求してみたいなという希望があります。

会社目線では、現在も当社は山梨県の事業で県外の企業様をお連れする機会がすごく多いので、その際にまるサテのような環境があると、いざ地方に来てみたら働ける環境がない、みたいなギャップもなくて安心だと思いました。

本来であれば、アテンド側としては現地にお連れしてからが難しいものなのですが、まるサテの場合はコミュニティマネージャーの方がフォローしてくださりますので、私たちも送客しつつ、現地の対応はある程度お任せできるのは大変ありがたいです。

株式会社RAZONA 代表取締役CEO 村元啓介氏

トークイベントのご感想をお願いいたします。

トークイベントの感想としては、思ったよりもたくさんの方が来られていましたので、やはり今回のテーマに対する社会的な関心の高さを感じたことがまず一点でしょうか。

またご清聴いただきました皆様からすると、色々な角度から同じような話をしていたように思えたかもしれませんが、逆に言うとテレワークやワーケーションに対するメリットが世の中で認知され、確立されているからこそ全員の意見が似通ったものになったのだと考えています。

その点を鑑みると、ワーケーションに対する関心の高さや富士吉田市の良さみたいなところは、ある意味揺るぎないものと言いますか、確実なものになっている気がしますね。

テレワーク導入企業の視点から見たまるサテの印象はいかがですか?

一つの街全体を使ってまるごとサテライトオフィスというコンセプトは非常にキャッチーですし、ワーケーションに訪れるきっかけとしてはすごく良いなと思います。

ただその一方で、テレワーク導入企業の実体験として、利用頻度に関しては今後の課題だと感じています。

例えば中長期滞在をする場合において、自分にマッチする場所を探すという点で宿泊先や飲食店の選択肢が多いというのは紛れもなく良さではあるのですが、自分にとってのベストプレイスが見つかれば、そこからはあまり移動しないケースも考えられますよね。

やはり仕事ということを考えると、端から端まで色々な場所を巡るみたいな使い方は難しいかなといった印象を受けました。

ただ、こうした課題を解決していくことで仕組みとしてもっともっと伸びていくんだろうなという風にも思いますので、今後もテレワークを導入する企業の一経営者として注目していきたいです。

今後のまるサテにどのようなことを期待していますか?

場所に捉われないで働けることがテレワークやワーケーションの良さだと思いますが、結局のところ最低限のインフラ環境が整っていなかったり、自社オフィスと同じようなサテライトオフィスしか選択肢にないのであれば、どこでもとは言えませんよね。

その点まるサテにおいては、最低限の通信環境と謳われていますけれど、街全体がまるごと、どんな場所でもサテライトオフィスになり得るのは非常に素晴らしい取り組みだと思います。

仕事に必要な最低限の通信環境が整い、それでいて出社したような感覚を担保するという意味で言えば、コンセプトを含めてとても良いプロジェクトであるといった印象です。

先程申し上げた利用頻度の課題に対する打開策もそうですが、今後もどんどん新しい発想を取り入れて、良い方向に進むと良いなと思っています。

株式会社アミューズ 内藤裕志氏

トークイベントのご感想をお願いいたします。

トークイベントでは、「人」にフォーカスしてお話しさせていただきましたけれど、登壇させていただいてまず思ったのは、やはり皆様が富士吉田市との関係性を継続するきっかけとして、コミュニティマネージャーの方をはじめとする人に惹かれた部分が非常に大きいのだなということです。

特にワーケーションなど、地方でテレワークを主軸として働く場合には、通信環境や個室などのハード面の整備は大前提で、これはどの地域でも一緒だと思います。

そのうえで、複数回の訪問や中長期滞在、移住を検討するにあたり、現地の方がつくり出す空気感や環境の持つ影響の大きさを改めて実感しました。

テレワーカーの視点から見たまるサテの印象はいかがですか?

私は東京と山梨でテレワークを行っていて、普段から色々な場所を使わせていただいているのですが、率直に申し上げると非常に良いなと思っています。

先程のお話の補足になりますが、私が思うテレワーク都市としての富士吉田市の強みは、インフラ周りはもちろんですが、「人」にフォーカスしたソフト面の環境が整っていることです。

今日はどこで誰と出会って、どのような会話をするのだろうみたいな期待感を抱けることは、知らない土地ならではの楽しみですし、街全体をプラットフォームとして、点ではなく面で捉えて試みるのはすごく有意義な取り組みだと感じています。

私自身もそういった環境に居るのであれば、今日はここで、明日はここでやってみようという楽しみ方ができると思いますし、チャレンジしてみたいです。

まるサテの場合は、飲食店とのワークスペース提携もありますので、ワークライフバランスとはまた違うのですが、仕事のなかで新たな楽しみが増えると良いなと思います。

今後のまるサテにどのようなことを期待していますか?

そうですね。イベントでは、せっかく「地方創生」という言葉が出てきましたので、そこに集う方々で一緒に、一つの事業にトライしてみるのもアリなのではないでしょうか。

関わり方としては、出資をする方やプロボノで入る方、事業としてきちんとリターンを受けるためにプロデュースをする方など、色々なタイプが考えられます。私もこの地域で、さらに言えばここのコミュニティで出会った方々と一緒に何か事業をつくったり、プロジェクトを動かしてみたいです。

結果としてそれが自分たちも含めた地域の経済循環を生み出し、しっかりとリターンに繋げることができれば良いな、実現できたら面白いなと思います。

地方には大なり小なり課題がありますので、ただの紹介で終わらずに、一緒に事業をしていくところまで達成できたら、この土地をもっと愛せるんじゃないかなという風に感じました。

ドットワークPlusオープニングセレモニー閉式

大盛況だったオープニングセレモニーもこれにて閉式となりましたが、グランドオープン初日はまだまだ終わりません。会場の熱気はそのままに、参加者による異業種交流会/施設開放の時間へと移ります。

参加者による異業種交流会/施設開放

ドットワークPlus初となった異業種交流会では、オープニングセレモニーで各方面から多様な方々が集まっていたこともあり、施設内の各所で活発な交流が見られました。

皆様が笑顔で交流する光景を見て、運営スタッフ一同も感無量です。また、完成したドットワークPlusについても、皆様からご好評をいただくことができました。今回のイベントに参加した皆様からいただいたご感想は、以下の通りです。

イベント参加者の感想

当社もQ-STAの2階にアンテナショップを出店していますが、同じフロアにドットワークPlusさんのような前向きでポジティブな要素が詰まった施設ができたことは、本当にありがたいです。見た目だけではなく、フロア全体の雰囲気が明るくなったように思います。まるサテの情報はこれまで文章で拝見していましたけれど、今回のオープニングセレモニーでは、プロジェクトに対する熱意を間近で感じることができたので、とても良い刺激をいただきました。また、私はアポ取りやWeb会議を店舗で行う場面も多いのですが、ノイズキャンセリング機能付きのイヤホンを使用しても館内の騒音は完全に消しきれないため、今後は個室ゾーンを利用してみたいです。(堀内洋平さん/丸幸産業株式会社・広報)
工事中からどんな風になるのかなとずっと気になっていましたけれど、蓋を開けてみたらものすごくオシャレな空間に仕上がっていて驚きました。東京圏の方にもウケるような雰囲気の内装なので、コワーキングスペースとしてはすごく良い環境になっていると思います。イベント中にも色々と出た意見ですが、やはり駅ビルにありますので、東京圏からアクセスしやすいのは強みですよね。私は事務作業での利用がメインになりそうですが、富士吉田市内外からたくさんの方々が訪れる施設になるかと思いますので、そういった方々とも交流を深めてみたいです。(秋山真一さん/富士山北口御師菊谷坊・18代目当主)
この先、官民一体となって富士吉田市を盛り上げていくぞという熱意がよく伝わるセレモニーであったと思います。富士急行さんのような大きな企業との連携もあり、これから先どんどんプロジェクトが加速していくんだろうなという風に感じました。施設に来たのは今日が初めてですが、地場産業である機織物を活かした開放感のある内装に設えられていて、外から見ている人も中に入ってきやすいですし、何をやっているのか知らない人でも気になりやすいような雰囲気づくりをされている印象です。人との繋がりだけではなく、情報に関しても富士吉田市でここが一番集まってくる場所になると思いますので、普段の仕事とはまた別のところで、ここに来られる方々と色々な情報交換ができたら嬉しいですね。(三浦涼介さん/会社員・宿泊業)
まず新しいプロジェクト、新しい動きが始まったこと自体がワクワクしますよね。私自身も移住者なので、やはり一人だと寂しいな、孤独感を覚えることもあるかもしれないなと感じていましたので、移住者にとっても、地域の人にとっても明るいニュースは本当に嬉しいです。施設に関しても、富士山が印象的な機織りで作られたカーテンが温かい雰囲気を生み出していて、包容力のある空間だなと思います。私は地域の魅力を発信する観光の仕事に携わっていますので、トークイベントでも話があったように、地域にある「こと」や「もの」だけではなく、「人」にクローズアップした観光の在り方を発信していく際に、ここでの人との繋がりがすごく大事になっていくなと感じました。ワードにすると、人脈づくりや地域ネットワークの構築に一番適した場所なのではないかという風に思っています。(千代慧さん/thousandth・代表)

ドットワークPlusグランドオープン初日を終えて

まずは率直な感想として、想定していたよりもたくさんの方々に足を運んでいただきましたこと、感謝の念に堪えません。

私自身も0から施設を立ち上げるのは初めての経験で、何が正解なのか、むしろ正解がないなかで完成を目指さなければならない毎日が続いていましたが、本日お越しいただいた皆様の反応を見て、ようやく胸を撫で下ろすことができました。

本当に今日という1日を無事に迎えられたのは、グランドオープンに向けてともにご尽力くださった関係各位の皆様、そしてまるサテを応援してくださっている全ての皆様のおかげであると痛感しています。

富士吉田市並びに富士急行株式会社様との三者連携協定締結式だけではなく、まるサテの事業説明やトークイベントについても多くの方々にご清聴いただき、ドットワークプロジェクト事業統括責任者また富士吉田市地域活性化起業人として、大変嬉しく感じるとともに、今後に向けて決意をより強固なものにすることができました。

通常営業が始まってからも、本日のようにたくさんの人々が行き交う施設となるよう、スタッフ一同で邁進してまいります。

富士吉田市につきましても、一地方都市ではありますが、この度オープンしたドットワークPlusのように、利便性の高い場所に高機能なコワーキングスペースを有するリモートワーク向けの環境が整っている土地です。

ただ仕事をするだけではなく、新しいコネクションや自分のやりがいとなる副業を見つけられるなど、多様な可能性を秘めています。

活用方法は十人十色なので、ぜひ一度まるサテの中心地であるここドットワークPlusへお越しください。

北田萌(ドットワークプロジェクト事業統括責任者/富士吉田市地域活性化起業人)

本格始動したドットワークPlusで皆様をお待ちしています!

たくさんの皆様のご協力のおかげで、華々しいグランドオープン初日を迎えることができたドットワークPlus。東京一極集中を避けるためのサテライトオフィスの一大拠点として、また富士吉田市まるごとサテライトオフィス事業の中心地として、市内外の皆様に分け隔てなくご満足いただける施設づくりに努めてまいりますので、今後とも何卒よろしくお願いいたします。スタッフ一同、皆様にお会いできる日を心よりお待ちしております。

取材/三枝善貴
写真/宮下高明

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